経済まねきねこ情報局(FX・株・経済など)
コンポラス
 中村孝志教授(整形外科 京都大)と大阪市の樹脂メーカー「タキロン」が、がん手術や事故で失われた骨の再生を促すための

    足  場 
 
となる新素材を共同開発し、24日発表した。

 欠損部位に合わせた加工が容易で、骨髄細胞が集まってきて骨が再生されると自然分解し、異物が残らないのが特長という。

 4月に米食品医薬品局(FDA)の承認を得ており、商品名

    コンポラス

としてタキロンが来年の米国販売を目指すという。
 将来は美容外科への応用も期待できとしている。

 新素材は、骨髄細胞が定着しやすいよう、微細な穴が互いにつながったスポンジ構造で、骨の主成分であるハイドロキシアパタイトと、1年−1年半で自然分解する樹脂を組み合わせたもの。

 
双子のブラックホール
 早崎公威研究員(宇宙物理学 京都大学基礎物理学研究所)らのチームが、謎とされる巨大ブラックホールの起源は

     双子のブラックホールが合体

して成長してできるというシミュレーションによる新理論をの8月1日発行の米天文誌アストロフィジカルジャーナルに発表するという。

 計算結果によると、2個のブラックホールが近づくと、互いに追いかけるようにぐるぐる回り始め、さらに、両者を囲むような巨大なガス円盤ができ、最終的に合体して巨大化する。

 双子のブラックホールでは、単体の時には見られない特徴として、放出されるX線や紫外線が一定の周期で明滅する。この特徴を観測できれば、成長過程を追跡できることになった。
    
植物由来のがんワクチン
 スタンフォード大学医療センター(Stanford University Medical Center)の研究チームが腫瘍に対する免疫反応を活性化する

    植物由来のがんワクチン

を開発したと、科学アカデミー紀要Proceedings of the National Academy of Sciences、PNAS)に21日発表した。

 このワクチンは、患者の腫瘍のタイプに合わせて作製することが可能だという。

 チームは、不治の病とされるB細胞性の

       濾胞性リンパ腫

と診断された患者16人にこのワクチンを投与したところ深刻な副作用を呈した患者は1人もみられず、逆に免疫反応が活性化された患者が70%以上にのぼった。

 なお、このワクチンがネズミのがん細胞を破壊することは既に確認されている。

 チームは、ヒトのがん細胞をも破壊するかは不明としながらも、こうした技術を応用して、一部の悪性腫瘍に対する治療につなげたいとしている。

 動物またはヒトの細胞を使用したがんワクチンの臨床試験では、一定した結果は得られておらず植物由来のがんワクチンの臨床試験が行われたのは今回が初めてとなる。
   
皮膚のかゆみを抑えるたんぱく質
 横浜市立大の五嶋良郎教授と池沢善郎教授らの研究グループが、アトピー性皮膚炎などの

     皮膚のかゆみを抑えるたんぱく質

をマウスの実験で突き止めた。
 このたんぱく質には、かゆみを悪化させる神経細胞の過度な成長を抑える働きがあり、治りにくい皮膚のかゆみを改善する治療薬につながると期待される。

 ヒトがかゆみを感じてひっかくと、その刺激によって神経細胞の成長が促進され、かゆみに過敏になる。これをさらにひっかくと、神経が一層増える悪循環に陥り、アトピー性皮膚炎などの慢性化につながるという。

 研究グループは、神経の成長を妨げる

     セマフォリン3A

というたんぱく質に着目し、アトピー性皮膚炎のモデルマウスに、このたんぱく質を皮下注射すると、投与していないマウスに比べ皮膚炎が改善し、マウスが患部をひっかく回数が減ったという。
   
 投与していないマウスの神経細胞は表皮まで入り込んでいたが、投与したマウスは神経の伸びが少なかった。
 なお、このたんぱく質はヒトの表皮からも分泌され、アトピー性皮膚炎の患者は分泌が少ないことが知られている。
    
自然災害による損失保証額
 保険サービシズ・オフィス(ISO、米ニュージャージー州)の発表
    損害保険業界にデータやリスク管理サービスなどを提供

 米国で竜巻の発生件数が過去最高に達したことなどから、自然災害による保険会社の損失保証額が第2四半期(4−6月)に

     推計60億3000万ドル(約6400億円)

となった。

 自然災害による損失保証額はテキサス州が10億8000万ドルで最高だった。2番目に多かったのはミネソタ州で8億1000万ドル、3番目はカンザス州で5億7800万ドルだった。
 4−6月の物的損害の保証額は第1四半期(1−3月)のほぼ2倍となった」としている。

  4−6月に全米で発生した竜巻は1164個と、米気象庁(NWS)が集計を開始した1950年以降で最高だった。
 アナリストらは、竜巻被害が原因となる損失が計上される可能性があることから、オールステートやハートフォード・ファイナンシャル・サービシズ・グループなどの保険会社の業績予想を下方修正している。
   
ピカチュリン
 古川貴久研究部長(大阪バイオサイエンス研究所)らのチームが目の奥にあって光を感じる網膜の神経回路がきちんとつくられるのに必要なタンパク質を、マウス実験で突き止め、米科学誌ネイチャー・ニューロサイエンス電子版に21日発表した。

 光を発するネズミに似た人気アニメキャラクター、ピカチュウにちなんで

     ピカチュリン

と名付けた。

 網膜の神経回路ができる仕組みの一端が分かった。人工多能性幹細胞(iPS細胞)などを使った目の病気の再生医療への応用が期待される。

 チームは、視神経の周りで働いているピカチュリンを特定し、これが働かないよう遺伝子操作したマウスでは、受光細胞から中枢神経につながる視神経に異常が起きるのを確かめた。
 なお、通常のマウスに比べ神経伝達が遅れ、動くものを見る視力が落ちていた。
   
古細菌が全体の約9割を占めた
 海洋研究開発機構高知コア研究所(高知県南国市)とドイツ・ブレーメン大のチームが、海底下に厚く堆積した泥にすむ微生物の中で、従来は“少数派”と考えられていた

      古細菌

と呼ばれるグループが実は全体の約9割を占め、大量に生息していることを地球深部探査船「ちきゅう」の掘削試料などを基に突き止めた。

 英科学誌ネイチャー電子版に20日付で発表した。

 古細菌は、生物を基本的な遺伝の仕組みや生化学的性質を元に大きく分類する3ドメイン説において

    真核生物ドメイン(植物、動物、キノコなど)
    真正細菌ドメイン(大腸菌や藍藻などの普通の細菌)

と並んで全生物界を三分する「古細菌ドメイン」を構成する生物グループのこと。

 これまでによく知られている古細菌の例としては、高NaCl濃度の環境に生育する高度好塩菌や、温泉や熱水噴出孔などに見られる好熱菌などがあり、極めて過酷な環境にも分布しているという。
   
   
アンコウと同じ脳の動きで発声
 アンドリュー・バス博士(コーネル大学)らは、ガマアンコウの稚魚に麻酔をかけ、脳の神経細胞を染めて観察した。発声に関係しているのは後脳から脊魚類のガマアンコウが鳴き声を出す際の脳の働きが、ヒトなど陸上の脊椎動物とよく似ていること研究でわかったという。

 魚とヒトの共通の祖先が、発声のための脳の仕組みをもっていたようだ。

 これにより、ヒトの発声能力の起源は約4億年前にさかのぼることになるという。 

 ガマアンコウは北米の浅い海に生息し、求愛行動や縄張りを守るため、浮袋を使って

     「グエッ、グエッ」「ブーン」など

の鳴き声を出す種類があるという。

 発声に関係しているのは後脳から脊髄にかけてで発声器官を動かす神経細胞や、隣接する鳴き声の間隔などを調整する神経細胞の働き方が、鳴き声を出す哺乳類、鳥、カエルなどと、使う器官は違うのによく似ていたという。